Annie Aube (USA) "Dangerous Curiosity"

今回のテーマとなった「青髭」のストーリーと共に展示作品を御紹介いたします。
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青髯 (シャルル・ペロー作 / 訳者 不明) 

 むかしむかし、大きなお屋敷に、ひとりの男の人がすんでいました。
 この人は、お屋敷のくらの中にお金や宝石をたくさんもち、いろいろなところに別荘をもっている大金持ちです。
 でも、青いひげがモジャモジャとはえた、とてもこわい顔をしているので、人々から『青ひげ』とよばれてきらわれていました。
 そしてもうひとつ、青ひげには、ヘんなうわさがありました。
 それは、今までに六人もおくさんをもらったのに、みんなどこかへいなくなってしまうという、うわさでした。
 ある時、青ひげは近くにすむ美しい娘を、お嫁さんにしたいと考えました。
 そこで娘とそのお母さんや兄弟たち、それに友だちもよんで、おいしいごちそうをしてもてなしました。
 みんなは別荘にとまり、何日も何日も、散歩やダンスやつりをして、楽しくすごしました。
 そのあいだ、青ひげはいっしょうけんめいニコニコと、やさしい顔をしていました。
 しばらくすると、娘は青ひげのお嫁さんになってもいいと言いました。
 青ひげは大喜びで、すぐに結婚式をあげたのです。


The key in pink - (30 x 22.5 cm / acrylic on wood) - 21,000 yen



 ある日、青ひげはおくさんをよんでいいました。
「わたしは、明日から大切な用があって旅に出かけることになった。だから、あなたにやしきのカギをあずけていこう」
 そういって、カギのたくさんついているたばをとり出しました。
「これは、家具の入っているくらのカギ。これは、金や銀の食器の棚のカギ。これは、宝石箱のカギ。
わたしのるすのあいだ、たいくつだったら、このやしきにいくら友だちをよんでもかまわないし、どの部屋に入ってもかまわないよ。
ただし・・・」
 青ひげは急にこわい目をして、おくさんをジロリと見ました。

The trap is laid (34 x 35.5 cm / embroidery) sold out


「この小さなカギだけは、使わないように」

「はい。でも、これはいったいどこのカギなのですか?」
 おくさんがたずねると、青ひげはこたえました。
「ろうかのつきあたりの小さな部屋のカギだ。いいな。その部屋には、ぜったいに入ってはいけないぞ」
「わかりました」
 こうして青ひげは、つぎの日、出かけていきました。
 おくさんは、はじめのうちは友だちをよんで楽しくすごしていましたが、そのうち、たいくつになってきました。
 すると、あのいけないといわれた部屋に入りたくて、たまらなくなりました。

「だめ、いけないわ。
 ・・・いけないかしら。
 ・・・少しだけなら。
 ・・・大丈夫よね。
 ・・・大丈夫よ」

 おくさんは、小さなカギで小さな部屋のドアを開けてしまいました。
「あっ!」

 中を見たおくさんは、ドアのところに立ったまま、ガタガタとふるえだしました。
 部屋のかべには、たくさんの女の人の死体がぶらさがり、ゆかには血がベッタリと、こびりついていたのです。
 それはみんな、青ひげのまえのおくさんたちでした。


Blue beard's women (34 x 34 cm / embroidery) - 63,000 yen

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Little head #1
(18 x 18 cm /
embroidery)
sold out

Little head #2
(18 x 18 cm /
embroidery)
sold out


Blue beard's carnage (31 x 52 cm / embroidery) - 73,500 yen


The Suprise - (30 x 55 cm / acrylic on wood) - 31,500 yen


「ただいま」
 そこへ、青ひげが帰ってきたのです。
 おくさんはビックリして、カギをゆかに落としてしまいました。
 おくさんはあわててカギをひろうと、ドアにカギをかけて青ひげのいる玄関にいきました。
「お、お、おかえりなさい」
 おくさんを見た青ひげは、ニッコリ笑いました。
「やあ、すっかり、おそくなってしまったね。・・・おや、どうしたんだい? そんなにふるえて」
「い、いえ、べ、べつに」
 ガタガタとふるえるおくさんを見た青ひげは、急にこわい顔になっていいました。
「わたしていたカギを、出してもらおう」
「はっ、はい」
 おくさんがふるえる手で差し出したカギを見た青ひげは、キッ! と、おくさんをにらみつけました。
 
 カギには、あの部屋で落としたときについた血が付いていたのです。


Sweet one (26.5 x 26.5 / embroidery) -
42,000 yen

The Key (37 x 31 / embroidery) -
42,000 yen

Bleeding Key (30 x 22.5 / acrylic on wood) - 21,000 yen


「・・・いけないといったのに、やっぱり見たんだな」
「ゆるしてください、ゆるしてください」
 おくさんは青ひげのまえにひざまずいて、ないてあやまりました。
 でも青ひげは、ゆるしてくれません。
「おまえは悪い女だ。・・・殺してやる!」
「ゆるしてください、ゆるしてください」
「・・・では、お祈りの時間だけまってやろう」
「ああ、神さま・・・」
 おくさんは、必死で神さまにお祈りします。

 青ひげは刀をぬくと、お祈りをしているおくさんの首をきろうとしました。


Off with her head (33 x 33 / embroidery) - 52,500 yen



 ちょうどその時、玄関のドアがひらいて、ふたりの男の人が入ってきました。
 おくさんのふたりのお兄さんたちが、運よく妹をたずねてきたのです。
 ふたりは妹が首をきられそうなのをしって、すぐに青ひげにとびかかって、殺してしまいました。


Blue Beard's end (335.5 x 33.5 / embroidery) - 42,000 yen

The Head (27 x 27 / embroidery) - 31,500 yen



 死んだ青ひげには、ほかに、しんせきがいなかったので、お屋敷や別荘、お金や宝石は、ぜんぶおくさんのものになりました。
  おくさんは、それからはずっと幸せにくらしたということです。

 おしまい


Revenge (30 x 22.5 / acrylic on wood) - 21,000 yen